約ひと月ぶりの更新になってしまった。。。
由井正雪や慶安太平記なるものを、談志さんの朗読で知って去年あたりから読んでみたいと思っていた。
周五郎さんのこの本は、想像と創作の部分がだいぶ入っているのか?と思いつつ、
でもこの人の真面目な感じからすると創作ではないのかと、迷いながら700頁余り読み進めた。
まずの感想としては700頁を1冊の文庫にするのは無謀だということ。
がさばるし、紙自体の重みで破けそうになる。
さておき、印象に残ったところ。
「わしにはもう教えることはない」と老人は云った、「あとはおぬしの努力ひとつだ、もう少しいっしょにいて助言したいが、おぬしにはその必要はないと思う、ただ繰り返して云うが観ることを忘れぬように、いいか、自分の勘にたよってはならない、理論や他人の説にたよってもならない、自分の経験にもたよるな、大切なのは現実に観ることだ、自分の眼で、感覚で、そこにあるものを観、そこにあるものをつかむことだ」
直接は天文学について言っているところ。
世の中全般について、現実を見て、真実も以て判断するのは、相当な至難。
塩野七生さんの指摘のように「人は自分が見たい現実しか見ない」のが常だから。
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