2015年5月23日土曜日

戦場カメラマンの苦労と運動会


金曜の夜、報道ステーションで後藤健二さんの特集をやっていた。
シリア内戦の最中、自分の取材をしつつ、
シリア人カメラマンに、戦場ジャーナリストのなんたるかを教え、
現場に同道しながら叱咤激励していた。

その中で最も壮絶なシーンは、
アレッポの街に空爆があって、
そのシリア人カメラマンの彼が、自分の友達がその攻撃の被害にあって、
亡くなった姿を目の当たりしてしまったところ。
彼は膝から地面に崩れ落ち、カメラを手から放して置いてしまい、泣き出した。

そんな彼の姿を、後藤さんはビデオカメラで撮りつつ、
「カメラを持って、写真を撮れ!」と何度も励ます。
「どんな場面に遭遇しても、その場面を撮り続けることが、我々の仕事」
と何度も教えてきたことの、究極的な実践の場となっていた。



そして、今日の土曜日。娘の小学校の運動会だった。
そもそもカメラにしてもハンディカムにしても、撮るのが苦手で、
全く自信がないながら、子どもの出番だけは撮ろうとする。
でも、全くうまくいかない。
何が納得できないかというと、家族が見ていていい場所が、
ちゃんと考えていないと、後ろから眺めるところばかりになってしまい、
後頭部ばかり映すことになる。(私が不器用なだけです)

そんなことをしている時に、
ふと昨夜見た後藤さんの姿がフラッシュバックしてきた。
レベルの低い話で大変恐縮だが、
人が戦っている姿を写真や映像に収めようと思ったら、
相当肉迫して、しかも顔がはっきり見える正面かそれに近いところからでないと、
戦場からはるか遠くにいる人には伝わらない。
戦場カメラマンは大きくて強い信念と勇気が必要な職業だと、
勝手に実感してしまいました。

Amazonの後藤 健二ページ

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