ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)
第2代皇帝、ローマ帝国の基礎を盤石にした人、ティベリウスの政策。
● 公正とは、司法に限らず、善政の根本でもある税制にもあてはまる。ティベリウスの税制に対する考え方は、これまた終始一貫していた。税金の値上げだけはしない、の一点で一貫していたのである。・・・・・
[属州民にしてみれば]年に一度の10パーセントの属州税をとられるのならば従順にしていてもよい。それに、「ローマによる平和」のおかげで、近隣の部族との抗争にエネルギーを費やす必要もなくなり、他民族の侵略とか山賊や海賊の襲撃とかいう…対策も、今では覇権者ローマが考えてくれる。このように属州民が思ってくれれば、それがローマにとっても、軍事力を増大しないでも確率可能な「安全保障」になるというのが、アウグストゥスが考えティベリウスも賛同した「合理性」なのであった。(93~94頁)
●紀元十七年、小アジアの南西部を大地震が襲った・・・。
・・・・・
報告を受けるやいなや、ティベリウスは・・・[対策委員会に]彼の考える対策を提出し、採決を求めた。
一、緊急援助とインフラ設備の再建に、一億セステルティウスの国庫からの支出
二、被災者には、五年間にわたっての属州税免除
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つまり、ティベリウスの災害対策とは、緊急に必要とする援助と社会資本の再建は、国が考える。ただし、五年の間の税金は免除するから、個々人の再興は自助努力で成せ、であったのだ。(195~196頁)
このくらいスパーンと明快な政策を打ってたら、気持ちいいだろうね。
それには、国や自治体、組織はこっちの方に行くべきだ!というぶれない明確な方向性がないとね。
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