言い触らし団右衛門 (中公文庫)
普段はちょろっとしか読まないあとがきが秀逸だった。
「・・・その一所懸命に生きた人間たちは、司馬さんの小説のなかでは、ほとんど例外なしにかならず死ぬのである。英雄・豪傑の話というのは、おおむね爽快なもので、多くの作家は、英雄がその野心を達成したクライマックスを作品の大団円とする。要するに、めでたしめでたしの結末なのである。だが、司馬さんは、主人公が死ぬところまで、かならず書く。」(283頁)
どんなピンチに見舞われようとも、主人公が死なないのが、ハリウッド映画だと聞いたことがある。
それは夢やイメージを売り物にしているからなんだろう。
でも、司馬さんや塩野七生さん・宮城谷昌光さんの書いたものというは、
歴史を題材に取りながら、現実を見るように導いてくれる。
人の好き嫌いなんだろうけど、自分は断然後者を取ります。
なので、この短編集も楽しかった。
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