2009年12月2日水曜日

変革期にあぶれるモノ〜柴田錬三郎『徳川三国志』


徳川三国志 (集英社文庫)

徳川政権が立って、数十年、第三代家光の時代は、まだまだ戦国の戦乱が雰囲気でも、実際の人の考えや行動の表れでも続いていて、初代家康が目指した"戦さのない世の中"も、簡単に覆る要素がたくさんあった。その最大のものが、由比正雪の陰謀に代表される、主君家を潰されて、世にほっぽりだされた浪人勢力。その数6万くらいになったらしい。

今の世でいえば、主君家は会社。ほっぽりだされた浪人はリストラをくらったサラリーマンや派遣社員。ちょっとした違いは、浪人が帯刀を許されていること。
世の中の仕組みを変えていく時に、必ずあぶれる人たちが必ず出てくる。元にあったものを壊したり、捨てたりしないといけないから。
全てが丸く収まる方法はほとんど不可能だろうから、あぶれた人たちをどう治めるか、ここを考えないと変革はうまくいかない。

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