2011年1月7日金曜日

始終身体の向きを変える病人


わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈2〉

ダンテが『神曲』の中で、めまぐるしく政体を変える祖国フィレンツェを、痛みに耐えかねるあまりに寝床の上で始終身体の向きを変える病人に譬(たと)えたのは有名な話だが、ダンテの時代から二百年経っているのに、フィレンツェ人のこの面の性向はいっこうに変わらなかった。フィレンツェは、統治能力の壁に突きあたるたびに、抜本的対策に立ち向うよりも、形だけを変えて、危機をはぐらかす方策をとるのが常だった。十六世紀初頭も、この面ではまったく変わらなかったのである。一五〇二年の「改革」は、これまでずっと一年任期であった大統領(ゴンファロニェレ)を、終身制にすることだった。(175~176頁)


政権担当政党が変われば、よい方へ変わっていくだろうと、政治家も国民も希望・願望をもって、
いざそれを実現してみても、枝葉は別として幹はさほど変わらず停滞しているどこかの国は、
これを教訓にしないともったいないよね。

制度やら組織を組み替えてみても、
それを動かす人間と、その考え方が変わらなければ、
「抜本的対策」にはならないということ。

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